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競艇選手の級別(階級)について

競艇選手の級別(階級)について

現在、日本には男女合わせて約1,600人の競艇選手がいますが、それぞれが4つの級別(階級)に分けられていることをご存知でしょうか。
具体的には、上から順に「A1級」「A2級」「B1級」「B2級」のいずれかにランク付けされます。

この級別、どのような基準で分かれているのでしょうか。
また、級別の違いはレースとどのような関係があるのでしょうか。

ここでは、競艇選手の級別について、基本的な情報をまとめてみました。

競艇選手の級別とは?

競艇選手の級別は年2回、シーズン中の成績によって変動します。
それぞれの級別の条件は、以下の通りです。

A1級

  • 勝率が上位20%以内
  • 2連対率30%以上
  • 3連対率40%以上
  • 出走回数90回以上
  • 事故率0.70以下

A2級

  • A1級選手を除き、勝率が上位20%以内
  • 2連対率30%以上
  • 3連対率40%以上
  • 出走回数70回以上
  • 事故率0.70以下

B1級

  • A1級およびA2級選手を除き、勝率2.00以上
  • 出走回数50回以上
  • 事故率0.70以下

B2級

  • A1~B1級のいずれにも入れなかった選手
  • 事故率が0.70を超える選手
  • 新人選手

「級別が上の選手が必ずレースで上位に入る」というわけではありませんが、レース結果を予想するうえでの判断材料になることは間違いないでしょう。

ところで、
「2連対率、3連対率って何?」
「勝率2.00以上ってどういうこと?」
といった疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。
特に競艇初心者の方にとっては、聞き慣れない言葉も多いのではないかと思います。
そんな方のために、以下、競艇選手の級別に関連するワードをいくつかまとめてみました。

級別を理解するための用語集

級別を決める基準は、主に「勝率」「2連対率・3連対率」「事故率」「出走回数」です。
いずれも、レースの勝敗予想をするうえで重要なポイントでもあります。
それぞれの意味をしっかり押さえ、参考にしたうえでレース結果を予想してみましょう。

勝率

「着順点」の合計を出走回数で割って出した数値です。
一般的に「勝率」というと、「1着になった回数の割合」をイメージされるのではないでしょうか。
しかし、競艇における勝率は少し異なります。
「1着になった回数」ではなく、あくまでも各レースの着順点によって決まります。

着順点とは、レースの着順に応じて与えられるポイントをいいます。
一般戦における着順点のベースは、以下の通りです。

  • 1着:10点
  • 2着:8点
  • 3着:6点
  • 4着:4点
  • 5着:2点
  • 6着:1点

グレードの高い「SG競走」ならそれぞれ2点、「G1競走」または「G2競走」なら1点が上記のポイントに加算されます。
さらに優勝戦の場合は、1~3着に1点、4~6着に2点が足されます。

2連対率・3連対率

「2連対率」とは、過去のレースにおいてその選手が「2着以内に入った割合」です。
具体的には、1着および2着の合計回数を出走回数で割り、100分率(%)で表します。
一方の「3連対率」は、過去のレースにおいてその選手が「3着以内に入った割合」のことを指します。2連対率と同じ要領で、1着、2着、3着の合計回数を出走回数で割り、100分率で表します。

つまり、たとえば「2連対率30%」であれば、だいたい3回に1回は2着以内に入っていることを意味します。
2連対率・3連対率の数値がそれぞれ高ければ高いほど、その選手は安定して良い結果を出している、つまり“強い選手”であるといえるでしょう。

事故率

「事故点」の合計を、出走回数で割って算出するものです。

競艇では、違反行為に及んだり、自身の管理不足によって何かしらのトラブルを招いたりすると、「事故点」が付けられます。
いわゆるペナルティですが、特に痛いのがフライングによる事故点です。

一般戦において、フライングすると-20点の事故点が付きます。
このほかにも、「妨害失格で-15点」「転覆や落水など、自身の管理不足による失格で-10点」といったように、内容にあわせて事故点が設けられています。

事故率は級別を分けるうえで重要な基準のひとつですが、レース結果を予想するうえでチェックしておくべき点でもあります。事故率が高い選手はその分、レースでミスをする可能性があるからです。

写真引用:MIYAJIMA KYOTEI FREAKS

出走回数

文字通り、選手がレースに出走した回数を指します。
級別を決める基準のひとつに出走回数が設けられているのは、各選手が安定して結果を残せているかどうかチェックするためです。
いくら勝率が高くても、出走回数があまりに少なければ“まぐれ勝ち”の可能性もあります。
逆に勝率が多少低くても、出走回数が多ければ多いほど、その選手の実力をある程度測ることができます。

ところで、選手によって出走回数に大きな差がある点に気づく方もいらっしゃるかと思います。
特に目につくのは、「A1級、A2級の選手に比べてB2級の選手の出走回数が少ない」ということ。
そう、「級別によって出走回数に違いが出ている」ということなのです。

実は競艇では公式のルールとして、級別によって月に出場できるレース数が決まっています。
A1級、A2級の選手が最も多く出場でき、B1級、B2級の選手は月間の出場可能数が少なく設定されています。
フライングや走行妨害といったミスによって出場停止になり、それによって出走回数が減っているケースもあります。

いずれにしても、出走回数が少ない選手には何かしら問題を抱えている可能性が高いといえます。
その点を考慮してレース結果を予想することも大切です。

競艇選手は「A1級」を目指す

級別分けに関する基本的な用語を説明したところで、ひとつのデータを公開します。
当サイトの別ページでも見ることができますが、級別の年収データです。

  • A1級:約3300万円
  • A2級:約1800万円
  • B1級:約1100万円
  • B2級:約500万円

いかがでしょうか。
A1級とB2級を比べてみると、その差は歴然です。
A2級と比べてみても、A1級の選手は2倍近くの年収を稼いでいることがわかります。
また、これはあくまでも年収のみのデータなので、優勝賞金などを獲得している選手であれば、さらに高い収入を得ているといえます。

コラム:「ボートレースの獲得賞金」

収入は出走回数で決まる

級別によって年収にこれほどの差が出る大きな理由は、出走回数にあります。
そもそも、どのレースにどの選手が出場するかは、「日本モーターボート競走会」の「あっせん課」というところが決めています。
各選手の成績や特徴を細かく分析したうえで、バランスよく選手を各レースに配分します。
そのため、選手自身がもっとレースに出たいと思っていても、成績が伴っていなければレースに参加することはできません。

そして、上でも簡単に触れましたが、出場可能数は級別によって異なります。
A1およびA2級の選手が月に15回ほど出場できるのに比べて、B1級の選手は約12回と決まっています。B2級の選手に至っては、ほぼ半分の8回程度でしか出場できないというルールがあります。

これらのことから選手によって出走回数に大きな差が生まれ、その分だけ得られる収入も上下するのです。
また、「ボートレースクラシック」や「ボートレースグランプリ」など、高額賞金が出るレースのほとんどがA1級選手でなければ出場できないと決まっている点も重要なポイントです。
トップクラスの選手にもなれば、その選手人生を通して10億円以上の収入を得ることが珍しくありません。

成績不振者は「引退勧告」の可能性あり

さて、ここまでA1級の選手が特に稼ぎやすいことについてお話しましたが、人によっては、
「B2級でも、500万円も稼げればそれなりの生活ができるのでは?」
と思われるかもしれません。

確かに、500万円でも大金であることに変わりありません。しかし残念ながら、選手たちはその状態をキープするわけにはいきません。
というのも、成績不振が続くと、日本モーターボート競走会からレースにあっせんしてもらえなくなります。
つまり、実質的に引退勧告を受けることになります。
より多くの収入を得るためだけでなく、このような残念な結果を招かないためにも、選手たちは「A1級」を目指すのです。

級別審査は年2回

選手たちの級別は、年2回の「級別審査」によって審査、更新されます。

審査期間は、

  • 前期:5月1日~10月31日
  • 後期:11月1日~翌4月30日

に分かれており、各期間の成績や出走回数によって選手たちの級別が決まります。
特に審査期間終了を目前に控えた“期末”のレースは、選手たちにとって大きな勝負どきです。

「期末の勝負駆け」について

期末のレースでここ一番の勝負をかけることを、「期末の勝負駆け」といいます。
特に、A1級やA2級のボーダーにギリギリ入るか否かの選手は、いつも以上に気合いを入れてレースに臨みます。

「トップクラスの選手になって活躍しつつ大金を稼ぐのか、それとも一段落ちる環境で半年間を過ごすのか」という大きな分岐点になるので、当然のことでしょう。
期末のレースは、このような選手たちの意気込みを見たうえで結果を予想するのも大切です。

しかし、いくら勝負駆けの時期とはいえ、事故率が高めの選手には注意が必要です。

A1~B1級になるための条件に「事故率0.70以下」がありますが、逆に0.70を超えてしまうと、どの級別の選手であってもB2級に降格させられてしまいます。
仮に優れた成績を数多く残しているA1級選手だったとしても、事故率が0.70を超えれば一発でアウト。次期はB2級からの再スタートとなります。

「すでに事故率が高く、あと1~2回事故を起こせば転落してしまう」
そのような段階にいる選手は、「勝つ」という気持ちよりも「事故を起こさず慎重にいこう」という気持ちがまさっています。
要するに、気持ちのうえで、すでに上位に食い込むことを放棄している選手が多いわけです。

とはいえ、「じゃあ勝負駆けをする選手が上位に食い込みやすいのか」というと、そう単純ではありません。
期末の勝負駆けをするということは、少なくとも今期、自分の思うような満足のいく結果を残せなかったということ。ここ一番の勝負どきに、大きなミスをしてしまうことも考えられるでしょう。
そう考えると、やはりシーズン全体を通して安定した結果を残している選手に注目するのがベストなのかもしれません。

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