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競艇の「ナイターレース」とは

蒲郡競艇場ナイターレース
蒲郡競艇場ナイターレース

限られた競艇場で楽しめる「ナイターレース」について、開催場所や開始時間、特徴、注意点などをご紹介いたします。
普段とナイターレースでの予想の立て方の違いを知り挑みましょう。
また、ナイターレースの歴史についても掲載しました。

※「蒲郡競艇場」写真 By 計記録 - 投稿者撮影, GFDL, Link

デイレースとは一味違う迫力「ナイターレース」

ナイターレースとは、午後から夜にかけて行われる競艇(ボートレース)のことを指します。
暗がりを照らすカクテルライトの光のもとを6艇のボートが猛スピードで駆け抜けるさまは、デイレースとひと味違った迫力を感じさせてくれることでしょう。

ただし、レースを開催するにあたって照明をはじめとする特別な設備が必要であること、周辺環境に配慮することが必要であることを理由に、開催場所は限られています。
2019年現在、開催可能な競艇場は以下の通りです。

  • 桐生競艇場(群馬県みどり市)
  • 蒲郡競艇場(愛知県蒲郡市)
  • 住之江競艇場(大阪府大阪市住之江区)
  • 丸亀競艇場(香川県丸亀市)
  • 下関競艇場(山口県下関市)
  • 若松競艇場(福岡県北九州市若松区)
  • 大村競艇場(長崎県大村市)

また、一部の競艇場外発売場(ポートピア横浜、ポートピア梅田など)でモニター観戦をすることもできます。

ちなみに、ほとんどの競艇場外発売場は10:00から最終レース終了まで利用できるほか、大人数で盛り上がれる大型モニター、1人で静かにレースを見守ることができる個人ブースなどを完備しています。
競艇場に足を運ぶのが難しい方も、自分の観戦スタイルに合わせて最後まで楽しめます。

ナイターレースなのに実は“ナイター”じゃない?

一般的にナイターといえば「ナイトゲーム(夜間試合)」を意味します。
たとえば野球の場合、18:00頃から試合が始まり、21:00~22:00頃に終了するのが一般的です。
というわけで、競艇のナイターレースについても同じように「夜に行うレース」をイメージしそうなものですが、実はそういうわけではありません。

競艇は1日あたりレースが12回行われますが(全12R)、ナイターレースは最終レースが20:50頃に終わるようにスケジュールが組まれています。
具体的には14:30頃に1Rが開始され、スムーズに進行すれば20:30頃に最終の12Rとなります。
野球のナイターの開始時間(18:00頃)に競艇場に到着すると、すでに6~7Rあたりまでレースが進んでいる可能性大です。
「“ナイターレース”っていうくらいだから夜に着けば間に合うな」
などと余裕を見せていると、前半部分のレースに参加できず、その分だけ勝ちを得るチャンスを棒に振ってしまうことになります。
「ナイターレース」と銘打っていても、実際の開始時間は14:30頃ということを覚えておきましょう。

ナイターレースで勝つためのポイント

同じボートレースでも、日中に行われるデイレースとナイターレースは違います。
名称や開催時間が違うのは上に述べた通りですが、それ以外にもさまざまな違いがあります。
そして、この違いを押さえたうえで結果を予想することこそが、ナイターレースで勝つためのポイントです。
ではさっそく、ナイターレースで勝つためのポイントを見てみましょう。

ボートの「足」を見るべし!

ナイターレースその1

季節によって程度は異なりますが、基本的に日中はあたたかく、日没後は気温が下がって肌寒くなります。
ナイターレースは昼間から夜にかけて行われるため、レースが進むにつれて気温が変化していくことになるわけです。
この「時間帯による気温の変化」を意識したうえで予想することが、実はナイターレースで勝つために重要なポイントのひとつなのです。

時間の経過によって気温が下がっていくと、それにあわせて水温も下がっていきます。
これらの変化は、ボートのモーターに大きな影響を与える要因のひとつです。
冷えると空気が凝縮し、酸素の密度が上昇。モーターの出力が上がり、全体のポテンシャルが向上します。
結果的に、デイレースの走りとは違う走りを、ボートの「足」が見せてくれるわけです。
デイレースと同じつもりで予想していたレース展開が、大きく覆される可能性があります。

たとえば、もともとインコース(内側の1~2コース)を走るボートは、コーナーを最小限の動きでターンできるという点で有利とされています。特に1号艇は最も有利な位置にいます。
そのアドバンテージを活かしたまま逃げ切ること、いわゆる「イン逃げ」でトップを独走するという展開は、ボートレースの定番です。
気温や水温の低下によってモーターの性能が上がれば、日中に比べて「イン逃げ」が成功する可能性はさらに高まるでしょう。

しかし逆に、同じ理由で、アウトコースを走るボートが追い抜きやすくなる可能性もあるので、油断はできません。
また、普段ならスピードで劣る重量級の選手がスピード負けしにくくなる、といったことも考えられます。

ただし、このような変化をきちんと見極め、調整できるかどうかは選手の腕次第です。
気温、水温の変化にあわせて緻密な調整ができる選手なのか、それともまだ調整に慣れていない選手なのかを見極めることが大切であるといえるでしょう。

選手の「適正」を見極めるべし!

ナイターレースその2

日中のレースと日没後のレースでは、選手に与える影響も異なります。
特にレースの結果を左右しやすいのが、日没後に点灯するカクテルライトの光です。
煌々としたカクテルライトの光は、レースの舞台となる水面を明るく照らします。その結果、水面に反射した光が、選手の視界の妨げになることも少なくないようです。

また、見えるコースの風景が日中とは違うという点も、選手たちにとっては大きな変化のひとつ。
日中と同じ感覚で走るのが難しくなるほか、スタンドの見え方が変わることでスタートの切り方を失敗してしまうこともあるようです。
このような変化にも柔軟に対応できる選手を見極められるかどうかが、勝敗を大きく左右します。
たとえば、ナイターレースを開催する競艇場についてはすでに紹介しましたが、これらの競艇場をホームにしている選手は昼夜の変化に慣れている分、高い勝率が期待できるでしょう。

このように、選手によってデイレース、ナイターレースの得意・不得意があるので、そのあたりを入念にリサーチすることをおすすめします。
ときには、完全にノーマークだった選手が思わぬ活躍を見せるかもしれません。

競艇予想サイトをチェックすべし!

当サイトでは多くの競艇予想サイトを紹介していますが、これらのサイトを参考にするのも、勝つために重要なポイントです。

競艇予想サイトは、膨大な数のレース結果や独自にリサーチした情報などをもとに、その日のレース結果を予想し、提供しています。
もちろん、当日の天候、気温、風量など、さまざまな要因がレース結果に影響するので、競艇予想サイトを利用したからといって100%確実に勝てるわけではありません。
しかし、その道の専門家たちが分析している分、個人で立てる勝敗予想よりも的中率は高いといえます。
また、ナイターレースの予想に特化した競艇予想サイトもあります。
特に初めてナイターレースにチャレンジする方の場合、チェックする価値があるといえるでしょう。

ただし、すべてのサイトが優良サイトだとは限りません。
はじめからユーザーを騙す目的で、何の根拠もない勝敗予想を販売しているところもあるようです。
当サイトでは優良競艇予想サイト、悪徳競艇予想サイトについてまとめた記事を掲載しているので、詳しくはそちらをご覧ください。

「サンセットレース」の注意点

「ナイターレース=夜のレースではない」ということは、すでに書いた通りです。
実際のところは、昼の光のもとで行われる通常のレースが続き、夕方を経て夜まで続きます。
このうち、夕方のレース(6R前後)は「サンセットレース」と呼ばれることがあります。
サンセットレースが行われている時間帯は太陽が傾き、水面に近い位置で輝いているわけですが、このことがレースに影響を及ぼすこともあるので注意が必要です。

通常、選手たちはスタンドに設置されている大時計(発送信号用時計)の針を基準にしてスタートを切ります。
しかし、選手や太陽の位置次第では、逆光によって大時計の針が見えにくくなることがあります。

その結果、期待していた選手がスタートに若干出遅れてしまい、そのまま距離を縮められずに終わってしまう……そんなレース展開になることも考えられます。
選手と太陽の位置を細かくチェックする、あるいはスタートの遅れをリカバリーできるような走り慣れた選手、技量のある選手を見極めることが大切です。

※「大時計」写真GFDL, Link

ナイターレースの歴史

すべては桐生競艇場で始まった

桐生競艇場
桐生競艇場

競艇が、競馬や競輪、オートレースに続いて公営競技に認められたのは1951年。ナイターレースが誕生したのは、1997年9月20日です。
群馬県みどり市にある桐生競艇場で、競艇史上初のナイターレース「アクアンナイト」が開催されました。

「ナイター競技」自体は、1986年、東京都品川区勝島にある大井競馬場で「ナイター競馬」が開催されたことが始まりでした。
日中のみの開催では、平日にサラリーマンのような一部の層が楽しみにくく、業界としても幅広い層を取り込めなかったことから、ナイター競馬の企画が立ち上がったようです。
こうして始まったナイター競馬は見事に成功し、競馬業界を盛り上げる革新的な出来事になりました。
これを受けて、競艇も1997年にナイターレースを開催した、という経緯があります。

その後、ナイターレースの開催によって舟券の売上は順調に増加。利用客の層も以前に増して幅広くなりました。
これを機に、蒲郡競艇場や住之江競艇場などでも順次開催されるようになり、現在は全国7ヶ所の競艇場で楽しめるようになっています。

蒲郡競艇場で「ナイターSG」がスタート

蒲郡競艇場
蒲郡競艇場

ナイターレースの人気が高まるなか、2002年、蒲郡競艇場ではSGシリーズ初となるナイターレースが開催されました。

競艇には5種類のグレードがありますが、中でも「SG(Super Grade)シリーズ」はその名の通り、最高級のグレードのレースを意味します。特に、一番の目玉である「グランプリ」は優勝賞金が1億円にものぼり、多くの選手が優勝を目指して熾烈なレースを繰り広げます。
そんなSGシリーズは、もともとボートレースの中でも特に人気が高く、盛り上がっていただけあって、ナイターレースでの開催は大きな話題を呼びました。

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