たかが水質、されど水質。競艇場の水質のお話し

たかが水質、されど水質。競艇場の水質のお話し

現在、競艇場は全国に24ヶ所ありますが、それぞれに競争水面の水質に特徴があります。
大きく分けて「海水」「淡水」「汽水」の3種類になります。
競艇のレース結果を予想する上で、この水質の違いも考慮する必要があります。

たかが水質、されど水質。競艇の中では非常に重要な要素になります。
今回はこの水質の違いがレースにどのような影響があるのか?ということをお話ししていきます。

競艇場における海水の影響

海水とはその名の通り、塩分を含んだ海の水です。基本的に海沿いに位置する競艇場の水質は海水になります。
海水の競艇場では海と同じで潮の満干があるので、有利になるコースやスタートに影響が出てきます。

基本的に満潮時には、インコースが有利になり、干潮時にはアウトコースが勝ちやすくなる傾向があります。
このように潮の影響があるため、午前と午後とでレース結果が大きく異なる可能性も十分にあります。

また、海水は塩分を含んでいるため、淡水よりも柔らかく浮力がつくのが特徴です。そのため、体重が重い選手は海水での成績が良いと言われています。

スタートにおいても満潮時と干潮時の影響が出てきます。
満潮時と干潮時では周囲の風景であったり、スタート地点の見え方が変わってくるので、スタートに慣れていない選手はいいスタートが切れないケースが多々あります。
ただ、選手の実力の差が大きければ大きいほど海水の特徴に関係なく、強い選手が勝ってしまう場合が多いです。

競艇場における淡水の影響

淡水とは、単純にきれいな水のことをいいます。塩分を含まないの水のことで、河川や湖に位置する競艇場の水質の多くは淡水になります。
淡水は海水と比べると純度が高いため、水質は硬めです。また、淡水の場合は海水のような潮の満干は無いので比較的に乗りやすい水面でもあります。

海水は浮力がつくのが特徴でしたが、淡水はそこまで浮力が無いため、体重差による影響が出やすくなるのが特徴です。そのため、体重の軽い女子選手には有利に働く傾向にあります。

また、淡水の水質は硬いため、海水に比べてモーターの差が出やすい水質でもあります。
調子の悪いモーターや弱いモーターだと勝負にならないということも多々あります。

競艇場における汽水の影響

汽水とは、海水と淡水が混ざり合った水質のことをいいます。河口付近や海に繋がっている湖沼付近に位置する競艇場の水質が汽水になります。
河口付近や海に繋がっている湖沼に位置しているので、風が強いだけでなく風向きも変わりやすいのが特徴です。そのため、他の水質と比べると、非常に乗りにくい水面と言われています。

汽水の競艇場の「江戸川競艇場」や「福岡競艇場」は難水面になる場合が多いです。それとは逆に、「浜名湖競艇場」は、走りやすい水面と言われています。

競艇場の水面が濁っている理由

レースの予想には関係ありませんが、豆知識として「競艇場の水面が濁っている理由」についてお話ししたいと思います。

競艇に使用されているエンジンは旧式のもので、今ではバイクにですら使われていない粗悪なものであるそうです。エンジンオイルとガソリンが一緒に燃えることで、未燃焼分のブローバイガスと一緒に水中に排出されるため、競艇場の水はかなり汚染されていると言われています。

汚染されている競艇場の水面ですが、水の入れ替えなどは余程のことがない限りしません。
海水の場合はそもそも水の入れ替えはできませんし、淡水や汽水の競艇場でも莫大なコストが掛かってしまうためです。

また、汚染されている水面だとレースに何かしらの影響が出ると思いがちですが、実際のところそうではありません。
逆に水をきれいにしてしまうと水質が硬くなってしまうため、走る時の衝撃がそのままダイレクトに伝わるというデメリットがあります。
水の中にある不純物がクッションの役割を担っており、汚れている水面だからこそ思い切ってターンがしやすいというメリットがあります。

競艇のレースにおいて、転覆のトラブルは珍しいことではありません。汚染されている水面に選手が転覆したら健康面などに影響はないのでしょうか?
実際に健康面に影響が出てるようではレース自体を実施することができませんので、健康面に害がないほどの基準を満たしている状態になっています。

ここまでお話しをしてきましたが、根本的な問題を解決すればいいのでは?と思っているかもしれません。
そう、“エンジンを変えればいいんじゃないの?”という解決法です。
しかし、これには大きな問題があるのです。その問題とは、エンジンを変える=競艇選手が走るための条件すべてを変える必要が出てくるということになります。

日々、莫大な額のお金が動いている競艇において、条件やルールを簡単に変えるというわけでにはいかないでしょう。
今後、さらに競艇の人気が上がってくれば、エンジンの変更やルールの変更が行われる可能性もあるかもしれませんね。

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