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選手心理が分かる!?予想にも大切な「チルト」の意味とは?ルールや影響、チルト3度で有名な選手を紹介!

選手心理が分かる!?予想にも大切な「チルト」の意味とは?ルールや影響、チルト3度で有名な選手を紹介!

「チルト」とは、ボートにモーターを取り付ける際の角度のことを指します!

普段ボートレースをしているとなにげなく耳にするこの言葉ですが、予想に重要なのか分からず受け流してしまう人も少なくないかもしれません。

実はチルトは、選手心理やレース展開など、様々な要素を知ることができる超重要な要素です!

そこで今回は、「チルト」の意味やレースに及ぼす影響、チルト3度で有名な選手を紹介していきます!

目次

少しの違いが大きな差に!「チルト」は重要な要素

ボートレースをしているなかで、「チルト」という言葉を聞いたことがある人は多いと思います。

しかし、実際にチルトがなにを意味するのか、レースにどのような影響を及ぼすのかを知っている人は意外と少ないかもしれません。

また、チルトはレース予想にとってあまり重要ではないと考えている人もいると思います。

しかし、チルトは予想をする上で非常に重要な要素のひとつです!

チルトは対象の選手だけではなく、周囲の選手にも影響を及ぼす可能性を持っています。

チルトを知ることで、より深い予想が出来るようになるかもしれません。

覚えることはそこまで多くないため、用語だけを聞いて苦手意識を持っていた人も是非一緒にチルトについて見ていきましょう!

そもそも「チルト」ってなに?

「チルト」とは、ボートにモーターを取り付ける際の角度のことを指します!

ボートレーサーはレース前にチルトアジャスターを使い、自らの判断でチルトを設定します。

ボートレースでは、「-0.5度、0度、0.5度、1.0度、1.5度、2度、2.5度、3.0度」の中で設定するのがルールとなっています。

チルトを上げる、下げるという言葉を実況などで聞くことがあるかと思いますが、これは角度を変えたことを意味する言葉なので、この言葉が聞こえた際は出走表などで実際にチルトについて確認してみましょう。

ボートレース場ごとにチルトに関するルールがある

先ほど-0.5度~3.0度の中でチルトを設定するというお話しをしましたが、厳密にはボートレース場ごとに調整幅に関するルールが設けられています!

以下がボートレース場ごとの調整幅です。

チルト ボートレース場
-0.5~0.5度 戸田
-0.5~1.0度 桐生
-0.5~1.5度 びわこ、住之江、若松、福岡、大村
-0.5~2度 江戸川、徳山
-0.5~3.0度 上記以外のボートレース場 (浜名湖のみ2.5度の使用が可能)

チルトの最大角が小さいボートレース場は、難水面であったり狭いコースレイアウトだったりと、チルトを上げて安定感を失ったボートが大事故を起こす可能性が高いボートレース場となっています。

事故防止の観点から、厳しいルールが設けられているのです!

最大の特長は伸び!チルトはレースにどのような影響を及ぼすの?

「チルト」についての基本情報を説明しましたが、実際にチルトがレースにどのような影響を及ぼすのでしょうか

まず頭に入れておきたいのが、チルトが変わると、同時にモーターに付属しているプロペラの角度も変わることになります。

そのため、チルトを下げればボートの舳先が下向きになり、反対にチルトを上げればボートの舳先が上向きになります。

これをイメージ出来ればあとは簡単です! 以下で詳しく説明していきます。

チルトを下げると安定感が増す

チルトを下げるとボートの舳先が下向きになるため、水面との接地面も大きくなります

そのため、ボートが非常に安定するようになり、ピット離れやターンをスムーズに行えるようになるのです。

ターン時に他のボートが立てる引き波の影響を受けても力強いターンが出来るなどの利点があります。

反対に、接地面が大きいことから水面からの抵抗も大きくなり、直線では伸びにくいという欠点も持っています。

チルトを上げると加速感が増す

チルトを上げるとボートの舳先が上向きになるため、水面との接地面が少なくなります。

そのため、水面から受ける抵抗が小さくなり、加速感が増した伸び足重視のモーターになります。

反対に、接地面が小さいことから安定感も小さくなり、初速が出にくかったりターンが上手く回れなかったりなど、さまざまなデメリットも存在します。

現代のボートレースでは-0.5度か0.0度が主流に

上記でチルト角度によるメリット、デメリットを解説しましたが、気になるのは結局「どっちが強いか」でしょう!

現代のボートレースではチルト-0.5度、上げても0.5度までが主流となっています。

様々なボートレース場の出走表を見てみると、9割以上の選手が-0.5度もしくは0.0度で出走しているのがわかります。

SGやG1など、グレードレースに関しても同様のことが言えます。

やはり、多少伸び足を犠牲にしてでも、回り足や出足を重視した戦い方のほうが有利な戦いが出来るのかもしれません。

どちらも大きな特長があるため絶対的な優劣を付けることはできませんが、現状の様子を見ると-0.5度の方が強いという結論にいたります。

予想に役立つ!「チルト」に注目すると選手の作戦が見える!

先ほど、「チルト」を上げている場合は伸び足重視のモーターになり加速感が増すというお話しをしました。

チルトを上げる調整は、小回りが大切なインコースよりも、どうにかして自分のペースを作らなければならないアウトコースの選手によく見られる調整です。

3.0度の場合はあからさまにまくり一発を狙っている証拠ですが、それと同様に0.0度や0.5度の選手もまくりを狙っている可能性が高くなります。

特に、4コースのボートがチルトを上げている場合は、4コースがスタートダッシュで内側3艇を飲み込んでしまい、アウトコース3艇での決着となるケースもあります

このようなレースは美味しいオッズが狙えることも多いため、強気に狙ってみてもいいかもしれません!

チルト3度に過度な期待は危険!?

時にはチルト3度でレースに挑む猛者もいます。

しかし、やはりチルト3度は相当な熟練者でなくては乗りこなすことはできません!

特に、引き波のある状態でのカーブは難しく、道中争いが発生した場合は競り負けることがほとんどです。

2,3着争いになってしまうと、チルト3度の選手が舟券内に残る確率は非常に低くなるため、チルト3度の艇の舟券を購入したい場合は1着固定で購入するのがおすすめです。

一発屋!?チルト3度で有名な選手

伝説のアウト屋「アワカツ」こと「阿波勝哉」選手

-0.5度のチルトが主流になるなか、あえてチルト3度で勝負を仕掛ける選手も存在します!

有名な選手といえば、「阿波勝哉」選手です。

持ちペラ時代から自ら不利なアウトコースを選択し、伸び型調整をすることで豪快なまくりを決めるアウト屋として人気な選手でしたが、持ちペラ制度が廃止された現在でもアウト屋として健在しています。

チルト3度の独自の調整を得意としており、豪快なレース展開を見せてくれると非常にファンも多い選手です。

中には「アワカツが出走するから買う」といった熱狂的なファンも!

10年以上前の話にはなりますが、6コースから9連勝という前人未到の記録も打ち立てています。

アウト屋はスタートが肝心であるため、やはりフライングは多くなってしまいがちですが、一度阿波選手の男気あふれるレースを見れば虜になること間違い無しです!

「Mr.チルト3度」の勝負師「菅章哉」選手

チルト3度を語る上で外せないのは「菅章哉」選手です!

菅選手は先ほど紹介した阿波選手とは違い、毎回アウトコースに構えてまくり一撃を狙う選手ではなく、時にはインコースからしっかりした逃げを決めることも出来る選手です。

菅選手最大の見どころは準優勝戦、優勝戦などでアウトコースに入った際の強烈な一撃まくりです!

菅選手はチルト3度の調整も大得意としており、「Mr.チルト3度」と呼ばれたりもするほどです。

さらに凄いことに、この戦い方でしっかりと安定した成績を残し続け、過去には最も高い階級のA1級を何度も経験しています。

阿波選手同様フライングが多く、F3のフライング休みによりB2まで昇級している時期もありましたが、それでも最強のB2と呼ばれるなど、ファンから非常に愛される存在です!

初めてのチルト3度で豪快なまくりを見せた「土屋南」選手

ボートが安定しないため乗りこなすのはかなり難しいと言われているチルト3度を初めて使用した準優勝戦で、見事なまくりを披露したのが「土屋南」選手です!

普段はチルト-0.5度で勝負をしている土屋選手ですが、2022年1月の児島ヴィーナスシリーズ準優勝戦では5号艇という厳しい枠番だったため、自らチルト3度を選択し勝負に出ました

結果的にスタートダッシュから豪快なまくりを見せ、1着になった土屋選手。

勝利者インタビューではなんと、「菅さんから産休明けの復帰祝いにもらったチルト3度のペラゲージでいった」と語っており、事前に「Mr.チルト3度」からのアドバイスがあったからこその作戦だったことが判明しました。

まとめ:チルトは予想にも関わる重要な要素!チルト3度には要注意!?

今回はボートレースでよく耳にする「チルト」について解説しました!

チルトの違いにより、ボートの足は大きく変化します。

チルトを知ることは、その選手の心理状況やレース展開を読むのにも非常に重要な要素です。

時にはチルト3度で大勝負にでるレーサーも

そのような選手がいるレースは荒れる展開も予想できるため、注意が必要です。

チルトを知ることで、今までとは違った予想ができるようになるかもしれませんね!

ヒコ
ヒコ
父親が競艇好きで小さいころから競艇に触れて育った。 大人になってから舟券を買うようになり、的中率と競艇愛は必ずしも比例しないことを痛感。 レース結果を調べるのが日課となっている。

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