賞典除外についての詳しい解説!

賞典除外という競艇(ボートレース)でしか聞かない用語についての詳しい解説!

「賞典除外」とは競艇以外では聞かない用語ですので、なじみのない方も多いでしょう。

「賞典除外」とはスタート事故や妨害を行った選手に科せられるペナルティで、賞典レースに出られなくなるというものです。

それでは詳しく解説していきます。

目次

賞典除外になるとどのような影響が出るのか?

「賞典除外」となった選手は賞典レースに出られなくなるのですが、そもそも賞典レースとは何でしょうか?

「賞典レース」とは優勝戦、準優勝戦、特別選抜のことで、節中の大半で行われる予選レースとは賞金額が異なるレースのことです。

競艇選手の収入の大半は賞金なので、多額の賞金が支払われる賞典レースに出られなくなる「賞典除外」は選手にとって大変重いペナルティなのです。

レースのランクによって異なる優勝賞金額

競艇はレースごとにグレードが決まっています。

下位から一般戦、G3、G2、G1・PG1、SGとありますが、上位になるほど出場条件が厳しくなり、その分優勝賞金も上がります。

グレード 優勝賞金
一般戦 74万円以上
G3 105万円以上
G2 450万円以上
G1・PG1 480~1,500万円
SG 1,700~11,000万円

特に最高賞金額が貰えるグランプリ、いわゆる賞金王決定戦は出場資格がその年の獲得賞金金額の上位16人になりますので賞典除外がいかに厳しいかがわかると思います。

賞典除外のチェック方法

選手にとって厳しい罰則の賞典除外ですが、「競艇場で配られている紙の出走表」「競艇場の公式サイト」、そして「BOAT RACEオフィシャルサイト」の3つで確認可能です。

紙の出走表の場合は欄外に記載されていることが多く、競艇場の公式サイトでは出走表をPDFファイルで公開しているのでそちらでも確認可能です。

「BOAT RACEオフィシャルサイト」ではG1以上のレースで得点率一覧を公開しており、賞典除外の選手はそちらで確認できます。

賞典除外が原因で降格させられる可能性もある

競艇選手は勝率、事故率、出走数によって階級が決定されますが、賞典除外が原因で降格となることもあります。

賞典除外になる原因のほとんどは事故点が設定されており、なによりも賞典除外で賞典レースに出場できないために最低出走数を下回り、降格となる可能性もゼロではないでしょう。

賞典除外が科せられる5つの原因

賞典除外は主にレースでのルール違反によって科せられるペナルティで、その原因は5つに分類されます。

  • スタート時のフライング・出遅れ
  • 妨害失格
  • 不良航法
  • 待機行動違反
  • 選手希望の出走調整

次からは5つの原因について詳しく見ていきましょう。

スタート時のフライング・出遅れ

1つ目のスタート時におけるフライング・出遅れですが、競艇はフライングスタート方式という特殊なスタート方法を採用しています。

このスタート方式は選手が一列に待機するのではなく、決められたスタート時間に決められたスタートラインを通過するように選手それぞれが舟を走らせる方式です。

スタート時間よりも0.01秒でも早く通過した選手はフライングになり、スタート時間を1秒を超えて通過した選手は出遅れとなります。

その節中に1回でもフライング・出遅れを行った選手は賞典除外とされます。

フライング・出遅れを犯してしまった選手は一定期間レースに出場できないというペナルティも科せられますので一番重いルール違反と言えるでしょう。

妨害失格

原因の2つ目は妨害失格というルール違反です。

これは少し難しいのですが、その艇が原因で他の艇が転覆した場合に課せられる罰則を示します。

競艇という競技は水上で6艇の舟がレースをするという性質上舟が転覆する場面が度々見られます。

特にターンの周辺では舟同士の距離が近くなり、他艇との接触が起こりやすくなります。

しかし、転覆あるいは落水は大きな事故になることもあり、落水した選手がスクリューに巻き込まれて十数針を縫う大手術を行うこともあり、妨害失格は重くとらえられています。

巻き込まれた舟の舟券が返還になる場合もあり、フライング・出遅れに次いで重い罰則が科せられており、節中に1回でも妨害失格を犯すと賞典除外です。

不良航法

原因の3つ目は不良航法と呼ばれるルール違反で、2番目の妨害失格と間違いやすい違反行為です。

不良航法はその艇が原因で他艇の航走に著しい支障が発生した場合に科せられる罰則です。

  • 追い抜き違反
  • 斜行違反
  • 他艇を転覆させない程度にぶつかる行為

不良航法はこの3つで取られることの多いルール違反です。

追い抜き違反ですが、競艇では艇を追い抜く際にはアウト側から追い抜かなければならない、というルールが存在します。

ですので、ターンなどで無理やり内側に入って追い抜く行為はルール違反となります。

ただし、他艇の妨害があった場合、安全な間隔がある場合、その他やむを得ない場合はこの限りではないので、決まり手の「差し」は不良航法ではありません。

斜行違反は直線競走中に前後の他艇の進路変更を邪魔した際に取られるルール違反で、進路を塞ぐように艇を斜めに走らせた場合に取られます。

特に競艇場によってはバックストレッチの斜行自体を禁止しているところもあり、その競艇場ではバックストレッチではまっすぐ走らないと違反行為となります。

妨害失格と似ていますが、他艇に故意にぶつかる行為も不良航法とみなされることがあります。

他艇を転覆させた場合は妨害失格ですが、ぶつかった際に転覆しなかった場合は不良航法とみなされるようです。

不良航法は事故点も軽くなっており、節中で2回犯した選手が賞典除外とされます。

待機行動違反

原因の4つ目は待機行動違反で、これはピット離れからスタートまでの行動中に起こった違反行為に対して取られます。

待機行動違反は細分化されすぎて分かりにくい違反行為ですが、スタート前に他艇に対して妨害行為を行った艇に取られることが多いです。

待機行動違反は2回とられると賞典除外となりますので、1回取られた選手はスタート前に慎重にならざるを得ません。

選手希望の出走調整

あまり見ない事例ですが、選手が出走数を調整するように願い出ることがあります。

もちろん、出走数を調整すると得点率を平等に比較することができなくなるので出走調整を願い出た選手は「賞典除外」となります。

では、賞典除外になってまでなぜ出走数を調整するのかというと、来期を見据えて勝率を下げないためです。

出走数や勝率が昇格の条件に達している選手は、出走数を増やして勝率が下がったり事故率が上がったりするのを嫌って出走調整をすることがあります。

また、事故率が0.70を超えてしまうとB2級への降格が決まってしまうので、事故率を下げるために賞典除外を覚悟して出走調整する選手もいます。

まとめ:賞典除外は選手にとって重いペナルティだが、危険行為への抑止でもある

賞典除外は選手にとって収入が大幅に減る大変重いペナルティですが、それだけの重大な違反行為によって発生するものでもあるということです。

賞典除外となった選手は準優勝戦以降に出場することができないため、無理をすることが少ない傾向にあります。

ですので、投票の際には賞典除外となっているかどうかを確認してから投票先を決めることをお勧めします。

エスキモー
エスキモー
友人と一緒に乗ったカヤックが楽しくてカヤックをはじめボート全体にドはまり。ついでのように競艇ファンになってしまう。競艇で大きく当ててカヤックが置ける自宅を建てるのを夢見てる。

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